讃岐うどんの「コシ」とは

うどんには「讃岐うどん」に代表されるような

「コシ」が強いものもあり、

うどんの特徴の一つでもある。

では「コシ」とは何なのか。

うどんを歯で噛んだ時に簡単には噛み切れない弾力のあるものを

「コシがある」と表現する。

「コシ」とは、

単純に食感の硬いものとは違い、

簡単には切れない「弾力」と、

「粘り」の両方がある状態を指す言葉である。

うどんは小麦粉に水と塩を加えて、

こねて作られる。

うどんは炭水化物というイメージがあるが、

うどんのコシにはタンパク質が関係している。

そのタンパク質は小麦粉に含まれるもので、

弾力性に富む「グルテニン」と、

粘りが強い「グリアジン」という二つのタンパク質である。

グルテニンは弾力があって反発する力が強く、

グリアジンは粘りが強く切れにくいのが特徴である。

この二つのタンパク質は、

小麦粉に食塩水を加えて混ぜる工程で結合し、

グルテン」というより弾力があって粘りのあるタンパク質になる。

このグルテンというタンパク質は網目状の構造をしており、

これが「コシ」の正体と言える。

うどん作りにはコシをさらに強くする工程として「足踏み」がある。

うどんの生地を足で踏めば踏むほど、

グルテンの網目が絡み合う。

さらに、

生地を「寝かせる」ことでより強度が増し、

強いコシが生まれる。

こうして出来たうどんは90%が炭水化物のデンプンで、

残り10%がタンパク質のグルテンである。

そのうどんをゆでるとデンプンは軟らかくなるが、

グルテンはそのまま残り、

ゆで上がったうどんにもコシがしっかり残っている。

うどんのゆで方や生地の作り方によって、

様々なコシのうどんが出来る。

そのため、

日本各地には色々な食感を持った色々な種類のうどんが存在する。

コシのあるうどんとしては、

香川県の「讃岐うどん」や秋田県の「稲庭うどん」、

長崎県の「五島うどん」、

山梨県の「吉田のうどん」などがある。

これらのうどんは麺の太さや作り方は種類や店によってそれぞれ異なるが、

作る工程で足踏みや寝かせる時間が長いのが共通した特徴である。

讃岐うどんは弾力のあるコシと滑らかな食感が特徴のうどんである。

また、香川県はうどんの生産量・消費量が共に全国1位であり、

日本で一番うどんを食べている県である。

ちなみに、2位は江戸時代から小麦の栽培が盛んな埼玉県で、

「加須うどん」や「冷汁うどん」などがある。

一方、コシがあまりないうどんとしては、

三重県の「伊勢うどん」や福岡県の「博多うどん」、

京都府の「関西風うどん」などがある。

伊勢うどんは元々「お伊勢参り」で疲れた人でも食べやすいように、

軟らかいうどんになったとされる。

また、伊勢うどんは、ゆで続けているため軟らかいうどんになるが、

客にすぐに提供できるという利点があり、

伊勢参りで混み合う客を次々にさばくのに適している。 

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