現在、朝食・昼食・夕食と1日3食食べるのが一般的だが、
多くの人々が1日3食になったのは江戸時代のことである。
江戸時代以前の人々は昼食をとらず、
朝食と夕食の1日2食の生活を送っていた。
その当時、暗い夜になる前の夕方に食事をとっていたため、
文字通り夕食だった。
江戸時代に1日2食が1日3食になった最大の理由は、
一般庶民の間に「照明用の菜種油」が普及したことである。
現在では食用として主に使用される菜種油だが、
古くから照明の燃料として使用されていた。
しかし、昔の菜種油はとても高価で庶民には手の届かないものだった。
代わりに庶民が照明の燃料にしていたものが、
鰯(イワシ)の油である。
しかし、鰯の油は燃える時の臭いが強烈で、
庶民が照明として使用することはあまりなかった。
江戸時代中期の1700年頃に菜種油を大量に作る技術が開発され、
菜種油の価格が下がった。
これにより庶民の人々も菜種油を買うことができるようになり、
夜に照明をつけるようになった。
これにより夜も活動できるようになり、
人々の活動時間が長くなった。
すると朝食と夕食の1日2食では足りないということで、
昼食をとるようになり、
1日3食の習慣が広まっていった。
その他に、
1657年(明暦3年)に江戸の大半を焼いた大火災「明暦の大火」が発生したが、
その大火の後の復旧工事に駆り出された職人に昼食を出したところ、
これが広まって1日3食になったという説もある。