東京都文京区にある「後楽」は、
その町域の大半を東京ドームシティと小石川後楽園が占めている。
外堀通りなどの幹線道路が東西南北に走り、
その交通アクセスのよさからトヨタ自動車などの有力企業が本社を置いている。
中国の教えに因んだ名前
水戸初代藩主・徳川頼房(よりふさ)がこの地に上屋敷と庭園「後楽園」の建設を始め、
二代藩主で「水戸黄門」でおなじみの徳川光圀(みつくに)が完成させた。
「後楽園」の園名は、
光圀が信頼を寄せていた明の儒学者・朱舜水(しゅしゅんすい)の助言で、
宋の学者・范文正(はんぶんせい)の著書「岳陽楼記」の中の語、
「士はまさに天下の憂に先んじて憂い、天下の楽に後れて楽しむ」から選んだ。
現在、上屋敷は東京ドームシティになり、
庭園は小石川後楽園として保存されている。
後楽園の流水は神田上水から取り入れ、
園内を回遊した後、神田川へ流れる構造となっている。