仮面ライダー: 50年の歴史

仮面ライダー』は

1971年(昭和46年)にテレビ放送が開始された作品で、

その当時から仮面ライダーはバイクに乗っていた。

仮面ライダー」は

「ライダー」と名前が付くように

バイクに乗っているのが特徴である。

これは仮面ライダーの生みの親である

石ノ森章太郎(いしのもり しょうたろう、1938~1998年)

のある思いから生まれた。

それは石ノ森が仮面ライダーに「陰」を求めたからである。

そして、

仮面ライダーは「暗闇から生まれた陰のあるヒーロー」として

誕生した経緯がある。

実際、仮面ライダーは悪の組織から望まぬ改造手術を受けて

誕生したヒーローであり、

そんな自身の境遇に対する葛藤も描かれている。

つまり、

石ノ森は「ただ強くて正しいだけのヒーロー」ではなく、

「心に陰を持ち、それと闘いながら正義を守る」という

全く新しいヒーローを求めた。

仮面ライダーがバイクに乗っているのは

放映当時の社会情勢が大きく影響している。

仮面ライダーが誕生した当時、

世間では「カミナリ族」と呼ばれるバイクに乗る若者たちが

社会問題になっていた。

マフラーの芯を抜くなどの改造を施したバイクに集団で乗り、

雷のような大きな騒音を起こしていたため、

当時バイクは世間から外れた「ちょいワル」や

社会秩序からはみ出した「アウトロー」なイメージがあった。

そんなあまりよいイメージのないバイクに乗せることで、

主人公の仮面ライダー

陰を抱えた存在であることを強調した。

また、仮面ライダー

ベルトの風車に風を受けて変身するというアイデアもあり、

風を受けるアイテムとして

バイクはさらに欠かせないものとなった。

このようにして生まれた

仮面ライダーがバイクに乗る」という伝統は、

約50年が経つ現在も脈々と受け継がれている。

ちなみに、

シリーズの長期化に伴い

仮面ライダーBLACK RX』や

仮面ライダードライブ』などでは

バイク以外に四輪車も用いられ、

バイクアクションの比重が少ない作品も生まれている。

これについて平成仮面ライダーシリーズを手掛けた

プロデューサー・白倉伸一郎(しらくら しんいちろう)は、

「時代の要請によって描き方が変わっていい」

「ライダーだからバイクでなければいけないという事はない」

と述べている。 

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