心は目に見えないものです。
ですから、
相手が何を考えているのか、
何を感じているのか、
わからなくて不安になってしまうことがあります。
他人の心だけではありません。
自分の心も、
ときとしてわからなくなってしまうことがあります。
たとえば日常やビジネスで、
どうしてあんなに怒ってしまったんだろう、
と後悔したことはありませんか?
好みのはずの異性から声を掛けられたのに、
あまり乗り気になれなかったことを、
後になってふしぎに思ったことはないでしょうか?
自分のことでも、ときにわからなくなる心のふしぎを、
心理学では数え切れないほどの実験を通して
一つひとつ解き明かしてきました。
それは、目に見えない心を、目に見えるように
理論や法則という形にしていく作業でもあります。
これら心理学の理論や法則は、
私たちが日常で生活していくうえで、
役に立つものばかりです。
同じ料理でも、
弁当を買ってきてそのまま食べるより材料から作ったほうが、
満足度が高まります。
ところが、面倒くさがりの人は料理をあまりせず、
弁当やお菓子、ファストフードを好んで食べます。
そのため、満足度が低く必要以上に食べてしまい、
肥満や過食症になりがちです。食欲に限らず、
この悪循環は報酬不完全症候群と呼ばれ、
多くの依存症に隠れているメカニズムと考えられています。